噛みあわせの異常と治療法

噛み合わせ症候群
 噛み合わせの異常が全身の健康に大きな影響を与えているということはTV.雑誌等でも言われているように疑いようのない事実です。噛み合わせの異常が原因で「噛み合わせ症候群」というさまざまな不快症状を引き起こしているということもよく知られています。
噛み合わせの症候群としては頭痛や首肩のこり、手足のしびれ、腰痛、顎関節の痛み、動悸息切れ、難聴、めまい等さまざまな不定愁訴があり、他の科をいくら受診してもその原因がわからないものがほとんどです。
噛み合わせ症候群の治療法は、「筋肉が決める顎の位置」と「上下の歯が噛み合ったときに決まる顎の位置」のズレを調整し、筋肉や額関節の調和を取り戻すことから始めます。
原因は顎の位置の異常
噛み合わせの異常の原因のなかで最大のものは下の顎の位置の異常です。これは歯の噛み合わせがもたらす顎の位置と周辺の筋肉や顎関節が調和しないときにおこります。筋肉や顎関節にとって都合のよい下顎の位置と、歯の噛み合わせによってもたらされる下顎の位置との間にズレがあると、顎の周辺の筋肉や顎関節に異常があらわれます。診断ではこのズレを計測し、治療ではこのズレを修正することになります。

噛み合わせの異常→筋肉位と歯の習慣性咬合位との不一致
筋肉がきめる顎の位置=筋肉位 と 歯の噛み合わせが決める習慣性咬合位

「筋肉が決める顎の位置」は身体の力をぬいて安静にしている状態から無意識に顎を持ち上げて噛もうとするときの顎の位置です。これは「筋肉位」とも呼ばれています。
「上下の歯が噛み合ったときに決まる顎の位置」とは上下の歯が噛み合ったときに歯のかみ合わせ」によって誘導される顎の位置です。これは「習慣性咬合位」とも呼ばれています。

通常はこの二つの位置は一致しますが、上下の歯の位置関係がズレている場合とか、歯に詰め物をした直後などには一致しないことがあります。一致しないときには神経と筋の共同作業で顎を巧みにズラして噛めるようにしています。

つまり、筋肉位が妥協させられて咬合位に従わされていることになります。このように妥協的に顎をズラして噛めるようにしていると、顎を支えている顎の周囲の筋肉や顎の関節に常に負担をかけることになります。この負担が少ない場合には何も起こりませんが、ある限度の範囲を超えると症状として現れてくるのです。

この2つの顎の位置(下顎位といいます)がズレているときには、安静位から静かにかみ合わせたときにわずかに顎がずれるのがわかります。ときにはこれはちいさすぎて自覚できないこともあります。しかしいかにちいさくても、1日に2000回も習慣性咬合位でかみ込むのですからその影響は無視できないものになります。またズレに対する反応としての症状の出方には個人差があり、大きなズレがあっても症状がない場合もあれば、ちいさなズレにたいして大きく反応する場合もいあります。

「噛み合わせのズレの診断」
噛み合わせのズレはどうやって調べるのでしょうか。かみ合わせのズレは通常非常に小さいので肉眼では確認することができません。通常0.2〜2.0ミリくらいの大きさです。
このズレの大きさと方向はコンピュータを使った診断装置で計測します。             → 診断装置                                                  

資料提供 パシフィック歯科

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