慢性化する顎関節症には矯正による根本治療を

パソコンや携帯電話の使用が顎関節症増加の一因に

●顎関節症の症状が増えている背景
仕事のストレスや生活習慣等からくる顎関節への影響があると考えられます。とくにコンピュータや携帯電話の使用頻度が高まり、前傾姿勢が多いことにより、約7〜8sある頭の重みを支えようとして噛み合わせに力が入ることからあごを痛めるケースが増加しています。そのほか、ストレスによる歯ぎしりや食いしばりが原因となるケース、交通事故の外傷や顎関節の変形、生活習慣などさまざまあり、特定できない場合も少なくありません。

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●急性症状と慢性症状
急性の場合は、開口時のあごの痛みや、顎を大きく開けようとすると「ジャリッ」と音がするなど顎関節に明らかな異常が現れます。こうした急性的な症状も時間の経過とともに次第に落ち着き、開口時の痛みや音なども治まってくる場合があります。ただ、口を開閉するときに左右の顎関節の動きが不均衡だったり、ガタついたりという症状は残ります。こうした場合はレントゲン上は顎位がその位置に適応したと捉えますが、噛み合わせそのものが治ったわけではありません。そのため、症状の再発が起こり慢性化します。
また、顎関節症のズレは全身にも影響を及ぼし、首のこり、偏頭痛、肩こう骨の痛み等いわゆる不定愁訴と呼ばれるさまざまな症状を呈してくる場合があります。


>>顎関節症の症状

顎関節症の治療法

いずれもズレのある顎位をできるだけ正しいポジションに近づけることを目標としています。
  • 1. マウスピース治療で症状を緩和する
  • 2. 矯正治療及び補綴[ほてつ](被せ物)による根本的な治療

症状緩和、顎関節の保護に効果のあるマウスピース

マウスピース治療に関しては軽症な方の場合は適切にマウスピースの使用で症状が改善され、生活に支障がなくなるケースがあることも事実です。歯ぎしりが多い方は就寝中も装着したり、ストレスを感じる時やパソコンの作業等集中している時に無意識に食いしばってしまう場合は、その時間帯にもマウスピースの装着することで顎関節へのダメージを緩和することができます。


顎関節のズレをデジタル的に測定し診断


マウスピースは症状を緩和させても、顎位そのものを変えられるわけではありません。顎位の狂い方が大きい場合は矯正治療、あるいは補綴治療により根本的な治療を受けることをおすすめします。
歯並びの悪い方は顎のポジションもズレているケースが多いので、そのズレを矯正治療によって正しい位置に戻す必要があります。逆に、顎関節の位置がズレたまま歯並びを整えても顎関節症の改善は難しいといえます。それにより、矯正治療において噛み合わせ治療が非常に重要であるといえます。
従来の顎関節症の治療は、矯正医の経験や感覚に頼るところが大きかったのですが、最新の顎機能咬合診断システムの顎機能咬合診断総合プログラムにより3次元的に下顎の運動を把握することができるようになり、顎関節の位置のズレをデジタル的に測定することでより正確な治療が可能となっています。こうした機器を導入し矯正治療を開始すると3ヶ月後からあごの痛みや開口量が改善されるケースも多く、1年ないし2年かけて歯列の矯正をきちんと行なうことによって、症状がほとんど解消されるケースも少なくありません。


>>顎関節症の治療

銀歯による治療が原因となるケースも

虫歯治療などで保険治療による銀歯の被せ物をした場合、噛み合わせが低くなっていることが多く、それが原因となり顎関節症を引き起こすケースがあります。あごが奧に入り込んでいる場合は、仮歯を何段階か入れ直し、顎位を少しずつ高くすることによって顎を正しい位置まで引き寄せます。その結果、関節の動きがスムーズになり、開口量も増え、筋肉の緊張感も次第に取れていきます。こうした状況が満たされれば、このポジションを狂わせないよう最終的な補綴物を入れ、顎関節を安定化させます。
矯正治療の場合も、顎関節が削れてしまって顎位が戻せない場合やより安定を図るために「矯正+補綴」というコンビネーション治療を行う場合があります。


患者様の症状を正確に把握し、より適切な治療を

顎関節症はいったん症状がでると自然治癒が難しいため、放置すると慢性化して、場合によっては顎が左右どちらかに曲がってしまうなど、顔貌に影響を及ぼす場合もあります。そうなってからマウスピース治療を行なった場合、症状の緩和はできても、顔貌の歪みを治すことは難しいので、矯正治療、補綴治療という多角的なアプローチが必要になってきます。その患者様のあごの状態を正確に把握し原因を特定し、その原因を取り除くためにより適切な治療法を選択することが重要だといえます。


資料提供医院

なんば歯科クリニック  難波 圭司 院長先生

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